
二次発酵・熟成を終えたカヴァは、瓶の口を下に向けた斜め逆さの状態でピュピトルと呼ばれる専用のワインラックに立てかけられます。これは、発酵によって生じた澱を瓶口に集めて澱を取り除くためです。瓶を1本1本、一定時間ごとに8分の1ずつ回転させながら瓶を垂直に近い角度に徐々にあげながら瓶口に澱を集めていきます。この作業を「動瓶(ルミアージュ)」といいます。この工程は、以前は熟練した職人が手作業で行っていました。
動瓶(ルミアージュ)という気の遠くなるような手作業は3週間ほどかかりますが、現在では、フレシネをはじめ、多くのカヴァ・シャンパーニュのメーカーではこの作業をジャイロパレットという機械でおこない、約1時間ほどで終了するようになりました。
その後、瓶口を下に垂直にした状態で数週間置き完全に澱を沈め瓶口に集めます。 フレシネが他よりも先駆け、機械化に踏み切ったのは二次発酵に加える酵母として、澱が落ちやすい特徴を持った酵母を独自に開発したことによるものです。これによって細かい澱がワイン中に浮遊するのを避けクリアなカヴァを短期間に造ることができるようになったのです。

いよいよカヴァが、世に出る瞬間が近づいてきました。「澱抜き(デゲロ)」です。動瓶(ルミアージュ)のあと、数週間置いた瓶の口にはワイン内に含まれていた澱が全部集まっています。その澱を一気に抜き取るのです。この作業も昔は1本1本、職人が手作業でおこなってきましたが、現在は機械によって瞬間的に澱を抜きます。瓶を逆さにし、瓶口に集まった澱の部分を-24℃の冷却液に浸け、澱を凍らせます。そのあと、瓶を立てて仮栓を抜くと、澱が固まった氷の部分が、瓶内の炭酸ガスの圧力で外へ「ポン!」と飛び出す仕かけです。
減ったワインの分はどうするのか?そこにはリコール・デ・エクスペディシオン、“門出のリキュール”が加えられるのです。実は、この“門出のリキュール”が、カヴァの甘味を調節する役割を果たしています。このリキュールの添加量によって、「Brut(極辛口)」「Seco(辛口)」「Semiseco(やや甘口)」が決まるのです。フレシネでは2~3年樽で熟成させた上質のレゼルバワインに蔗糖を加えたワインを使用しています。

さあ、仕上げはきちんとドレスアップして、カヴァの完成です。澱抜き(デゲロ)の後“門出のリキュール”を加えたカヴァには、コルク栓が打たれます。
このコルク栓の内側には、カヴァの印である十文字の星が必ず刻印されています。そして瓶に貼られるラベルには、スペインの原産地呼称(略称DO)認定ワインとして、法律によって定められたさまざまな表記が書かれています。
こうしてできあがったフレシネのカヴァは箱詰めされ、世界150カ国以上に出荷されていきます。 その1本1本には、葡萄にこだわり、酵母にこだわり、伝統の技と最先端の技にこだわった、カヴァを愛する1人1人の深い想いが込められています。
泡で愛でる楽しみフレシネのように伝統的製法で造られたスパークリングワインのボトルには長期熟成期間中に自然に生まれたキメ細かい泡が沢山つまっています。フルートグラスに注ぐとグラスの底から小さく光輝いた気泡が絹の糸が揺れるように絶え間なく立ち昇り、表面に広がる泡の波はグラスの淵にたどりついて美しい王冠をつくります。泡を愛でる。それは上質のスパークリングワインだからこそ「美しい楽しみ」と言えます。




